はじめに

数値計算c++一辺倒でやってきた僕が、時代の波に呑まれてPythonを使い出したのは2018年頃だっただろうか。ひとたびこの言語を使い始めると、手軽さにはまって一気に研究現場での使用率が上がり、特に2021年に入ってからはc++が必要になるような重い計算に出くわさなかったこともあってもっぱらPythonのコードばかり書いていた。 一時期は、もうc++には戻れないかとも思ったのだが、12月に入った頃に必要に迫られて久々にc++を書いたら思ったよりスムーズに指が動いて安心した。

両言語を併用しながらc++Pythonを比較すると、どちらの言語でもイケてるコードが書けて嬉しい瞬間があるのだが、Pythonだとそのようなとき、何やらチートしてゴールにたどり着いたような感覚が残るのに対し、c++だと自分の力で高尚な何かを成し遂げたような達成感があり(大概全く高尚ではないのだけれど)、僕の場合にはやっぱりこっちの方が心地よい。

そんなことを考えているうちに、こうした研究現場のよしなしごとをどこかに書き残したい衝動が抑えられなくなり、久しぶりにネット上での情報発信を始めてみることにした。